姫路城ぬの門・リの二渡櫓特別公開(2021.2) [2/3]

姫路城ぬの門・リの二渡櫓特別公開（2021）訪問記其の二です。リの二渡櫓二階隅部からスタートです。其の一はこちら。

・訪問時期：2021年2月
・姫路城訪問記もくじページはこちら。

＜訪問記＞

一つ奥の部屋に入って、L字形の「リの二渡櫓」の折れ曲り部分の角部屋です。北側と西側に格子窓と鉄砲狭間があり、角に石落としがあります。
角の石落とし。石落としの蓋は閉じられていました。残念。
珍しく、ここの石落としは側面にも鉄砲狭間が設けられています。門の直下に張り付いた敵兵をサイドから銃撃できます。
石落とし横の格子窓から曲輪の外部を見ると、「をの門」まで通じる高石垣直下の通路が丸見えです。ちなみに高石垣の上（備前丸）にも当時は長屋があり現存していましたが、明治期の失火で備前丸は全焼してしまいました。
リの二渡櫓角部屋の天井部分。ここも巨大な一本木が梁に使われています。
リの二渡櫓角部屋の様子。南西端から。
リの二渡櫓角部屋の様子。北東端から。南に接続するL字形の長辺部分の二階は残念ながら立ち入り禁止でしたが、柵越しに見ることはできるようになっていました。
角部屋の西側格子窓。
格子窓から西側および下の様子を見てみます。三国堀南側へ通じる埋門「るの門」が直下に見えます（埋門なので門自体は土塀の屋根と一体化して見えない）。菱の門から「るの門」付近までの様子が、リの渡櫓から一望です。
「リの二渡櫓」南部屋二階の様子。長細い一部屋になっており、屋根の梁をがっつり支える格子状の柱がある特徴的な構造をしていました。一階（鯱三兄弟）はいくつかの部屋に分かれていたので、二階がこうなっているのは不思議ですが、一階は明治の大修理で張り出し部が撤去されるなど改変されている可能性が高いため、以前は二階と同じ長い部屋があっただけかもしれません。
「リの二渡櫓」南部屋二階、別角度から。「リの二渡櫓」では梁を支える肘木はないものの、格子窓の下の桟（横木）を支える小さな具材が何の窓にも添えられています。奥に「リの一渡櫓」二階へ通じる扉が開けられていますが、向こうへは行けません。残念。
リの二渡櫓を出てきました。前述の通り「ぬの門」へは反対側（備前丸側）から入るため、一旦櫓門を出て向こう側へ回り込みます。
反対側へ渡ってきました。係員が立っていて、「リの二渡櫓」から出てきた人しかこちら側も入れないように制御していました。
「ぬの門」へはこの向かって右側の扉から中に入ります。
「ぬの門」一階への入口。二階へはさらにまっすぐ進み、奥を左手に曲がったところに石段があり、そこから二階へ入るそうです。今回未公開、残念。結局今回公開されていたのは「ぬの門一階」「リの二渡櫓二階（南部屋は立入禁止）」で、非公開は「ぬの門二階」「リの二渡櫓一階（鯱の部屋は通常公開）」と、全体の半分程度の公開でした。
では「ぬの門」一階へ入ります。扉は見えないところにあるからか非常に簡素で、小さな鍵穴が一つ付いているだけでした。
「ぬの門」一階の様子。二階の巨大な櫓部を支えるため梁の下に肘木も付いています。北側の窓は鉄格子で、門の真上には石落としも設置されています。
「ぬの門」一階別角度から。南側は素木の格子窓になっています。筋交（斜めの柱・耐震）があるのが特徴的です。