福山城(2022) [1/3] 外装も内装もリニューアルした大天守へ。

福山城は江戸時代に築かれた近世城郭で、福山藩主の居城として明治以降も保存されていたが米軍無差別爆撃により焼失。その後外観を変更して鉄筋コンクリート造りで再建された。2022年、築城400周年記念事業として大天守が改修され、江戸時代に北側からの砲撃に耐えられるよう鉄板張りにしていた姿などが復元された。

＜基本データ＞
●名称：福山城
●所在：広島県福山市丸之内 (地図)
●城主：水野勝成
●築城：1622年（元和8年）
●遺構：伏見櫓、筋鉄御門、石垣、旧天守礎石、復元天守
●時間：2時間半（10:00-12:30）
●参考：福山城築城400年記念事業公式サイト
●情報：日本100名城 No.71 (一覧)

訪問時期：2022年9月

福山城(2022) 訪問記 – 其の一、二、三。

福山城築城400年記念事業レポート(2021) – その一、二、三。←伏見櫓の中に入りました。
福山城(2013) 訪問記 – その一、二。

＜訪問記＞

福山城にやってきた！まずは新幹線の上りホーム（大阪方面）からお城を眺める。
新たな福山城天守。以前の姿（2013撮影）と比べると、窓枠が黒く塗られ引き締まったのと、最上階の高欄や長押などが黒くなり花頭窓などの位置も変更された。全体的に当時の意匠に近づいている。本当は古写真を見ると最上階の回縁全体に雨戸が掛かっているが、これをしてしまうと全く外が見えなくなってしまうため、これは復元なし。
現存の伏見櫓と筋鉄御門。今日はオープンはしていない（特別なイベント時のみ内部公開）。
伏見櫓の内部を訪れた時のレポートはこちら（2021年瓦記名イベント時）。
JR福山駅構内に展示されていた、当時の福山城のジオラマ模型。「全国唯一」鉄板張りの城復活！
裏側の黒い鉄板張りもしっかり再現。
福山城400周年と広島東洋カープのコラボ・赤備えカープ坊やデザインのマンホール。このグッズ展開を結構していて、結構買ってしまった。
ではまずはリニューアルした天守の中を見学しよう。
以前は天守の中で料金を払っていたが、今はこのあたりで入場料を支払い、ルートに沿って入場する。城の中は展示に集中させる仕組み。１００名城スタンプのこの辺りの事務所にあった。
イマドキの面白い展示が見られそうな期待が高まる入口。しかし、内部は一部のフォトスポットを除いて、ほぼ撮影禁止だった。残念。内容は、甲冑や絵図・書状などの文化財展示に加え、福山城の歴史など学べるポイントや、イマドキの体験型VRコーナーっぽいところもあった（馬に乗って城内をレースなど）。黒い鉄板については、天守炎上でほぼ溶けてしまったが、ひん曲がった鉄板のカケラが展示されていた。
ここだけ撮影OKポイント。左が昭和40年に天守再建された際に据えられた「初代」鯱瓦。右が1993年に地震で初代が破損したため作り替えられた「二代目」鯱瓦。今載っているのは三代目となる。
最上階へ。水野勝成所用と伝わる甲冑複製が展示されている。黒い熊毛の耳と、赤いツノと黄色い耳が生えた獣の前立てと、全面的に熊毛で覆った耳と唐冠形の兜が特徴的。
最上階全景。
ぴっかぴかの釘隠し。
スタンプを重ね押ししていくと絵ができるシリーズの福山城Verがあったのでやってみた。各フロアで押すとこれが完成する。黄色を少し強く押しすぎた。。。
回縁に出て天守からの景色を見てみる。まず正面。駅が正面。
回縁の様子。６階建の外なのでかなりの高さがある。高欄も低くて風の強い日は怖い。
ぐるっと回って裏側の花頭窓。福山城の回縁は（大阪城のように）落下防止の鉄網などがないので、怖いけど景色がよく見える。
裏側から下を見てみる。屋根が邪魔で鉄板張りは見えないが、裏側は移築保存されている福山城旧天守の礎石群がよく見える。
福山城旧天守の移築された礎石群。
天守から西側を見る。
ぐるっと回って天守正面側まで戻ってきた。かつて本丸伏見御殿が建っていた場所は、やはりかなり広い。
ではズームレンズでいくつかの櫓を見てみよう。
現存伏見櫓。築城の際にあの伏見城から移築されてきた。内部に、伏見城で使われていたことを示す墨書きが発見されている。今日はオープンしていないのが残念。
現存鐘櫓。最上階に時を知らせる鐘と、召集時などに使う太鼓が常設されていたという。
天守出口付近に展示されていた、再現された鉄板張りの鉄板。遠くから見ると黒い鉄板に見えるが、近くで見ると黒サビの鉄の色。