田峯城 [1/3] 本丸御殿などが再建された奥三河の中世山城跡。

田峯城（だみねじょう）は奥三河にあった中世山城跡で、奥三河エリアの有力豪族だった「山家三方衆（やまがさんぽうしゅう）」の一つ、田峯菅沼氏の居城だった。天正10年の武田氏滅亡の頃に廃城になったとされる。発掘調査で御殿跡や門跡が見つかっており、それらを元に本丸御殿、本丸大手門、搦手門が再建され、奥三河の復元中世山城として整備公開されている。山上に駐車場があり、アクセスは良い。

＜基本データ＞
●名称：田峯城 (だみねじょう)
●所在：愛知県北設楽郡設楽町 (地図)
●城主：菅沼定継、菅沼定忠
●築城：15世紀頃
●遺構：曲輪、堀切、切岸、再建御殿等
●時間：50分（12:00-12:50）
●参考：したらんトレイル田峯城

訪問時期：2023年6月
田峯城訪問記 − 其の一、二、三。

＜訪問記＞

田峯城へ。山の上まで車で上がってくることができる。駐車場から見下ろした堀切とそれにかかる橋。
駐車場にあった田峯城の石碑。読みづらいので書き下し→「作手に興った菅沼氏が貞吉（定信）の代の文明二年（1470）に築城した山城で、以後、当城は戦国大名の狭間に揺れ動きながら、田峯菅沼の宗家として奥三河に威を誇ってきました。しかし定忠のとき長篠で大敗したのを境として衰退、間もなく廃城となりました。」
同じく、駐車場設置の説明板。簡易な図面と復元想像図と説明書きがあり、わかりやすい。
田峯城の簡易図面。割れてて見づらいが、斜面に沿って曲輪が段々に構成され、頂部に屋敷などを備えた本丸があった。奥には堀切もある。
田峯城は復元山城として整備運用されている。入城料は本丸入口にて、おとな220円。
堀切にかかる橋を渡ると、そこから本丸へと続く曲輪群が始まる。曲輪の周りに柵が復元されていて、イメージが湧きやすい。
曲輪の内部は一部家が建っていて茶畑になっていた。
柵の下を覗くと大きく削られた堀切跡。
「無名曲輪」と名付けられた曲輪。言い伝えなどに出てこない曲輪のためこのように称させるようになった・・・と標柱に書いてあった。
無名曲輪から見上げた切岸。直接は登れないように急になっている。
堀切側から見上げた、無名曲輪と切岸。
茶畑のある最初の曲輪は「表曲輪」と名付けられていた。
表曲輪から斜面を上がっていく。
一段あがると、巨大な削平地へ。
井戸曲輪。「井戸跡もなく、掘っても水の出る地形ではないため、天水を貯える設備があったと考えられます」とのこと。
井戸曲輪と、その奥に広がる曲輪群。
こちらは「蔵屋敷」。「蔵があった場所で、当時この蔵には、食物や武器などが保管されていたと考えれます」とのこと。
奥の一段高い削平地は「道寿曲輪」。道寿とは菅沼家の重臣の名前だ。標柱によると「五代目城主、菅沼定忠とともに長篠合戦に出陣した家老城所道寿の屋敷跡ではないかと考えられます」とのこと。本丸直下の曲輪として一番奥かつ広大な場所なことから、家老屋敷と推定されたか。
本丸直下のもう一つの曲輪へ向かう。本丸へ続く石段を越えて奥へ。