鳥取城 [中編] 天球丸の”球”の形に積まれた石垣に驚愕!

鳥取城 [前編] の続きです。北御門跡から城域に入り、中仕切門を横目に見ながら西坂からぐるっと回って二ノ丸へ。二ノ丸の高石垣、三階櫓台の石垣を見る。二ノ丸から更に奥へ進もう。

<訪問記>

tottori-8169a-8193二ノ丸の奥にある鳥居のところから細い石段を上がって奥へ。

tottori-8169b-8192石段の左側は、むき出しの岩石の上に石垣が乗せてある。岩石には石垣にすべく石材を切り出した跡が生々しく残っている。石垣から生えていた樹木はずいぶん昔に伐採されたようだ。

tottori-8170a-8178しばらく進むと道が三方向に分かれる。左側の「二ノ丸」方面から来た場合、そのまままっすぐ置くへ進むと「天球丸」、折れ曲がって上に上がると「山上の丸(山上)」へ。まずは天球丸へ向かおう。なお天球丸下の石垣復元工事をしていたため、このあたりは半分工事中といった感じだった。

tottori-8171天球丸巻石垣はこちら →、という看板があるので、そのまま奥へ進む。

tottori-8172天球丸跡 説明板。この曲輪は江戸時代になってから造成された天球院(若桜鬼ヶ城城主 山崎氏の妻)がここに住んだことから天球丸と呼ばれるという。発掘調査の結果、天球丸の地下に眠るもう1つの古い石垣も見つかったが資料等に記載がなく謎の石垣とのこと。

tottori-8173こちらが天球丸。発掘調査では礎石などが見つかったようだが今は特に何も無い。

tottori-8177天球丸の周囲の石垣には巻石垣と呼ばれる「亀の甲羅状」(というかほぼ球体)の特徴的な石垣が復元されているので、それを見に行こう。天球丸の一番奥から下を覗き込むと、そこには巨大な丸い石垣が!! これはすごい。

tottori-8178a-8175天球丸の巻石垣 復元 説明板。最初から丸く作ったわけではなく、元あった普通の石垣が崩れそうになったため防護のために上からかぶせるように作ったとか。角が無いので巻石垣と呼ばれるという。石垣が球状だから天球丸、と思ってしまいがちだがそうではないところもポイント。

球状の石垣の前にも行けるようなので、後ほど見に行くとして、まずは天球丸と二ノ丸の間の道から山頂を目指して登山道へ。

tottori-8180a-8190登山道入口には発掘された石垣がある。八幡宮跡とのこと。階段下の石垣がカーブを描くように構築されている独特の景観がポイントだとか。

tottori-8181a-8189「山上の丸」を目指して登山道をあがる。一合目。登りやすい。

tottori-8183三合目あたりになってくるとこのとおり石がゴロゴロ、道も細く、右へ左へ折れ曲がって実に登りづらい。

tottori-8184四合目。何とここで急に油汗が吹き出てきて貧血を起こしてしまいダウン。時間の問題もあり早足で登りかけたのが良くなかったか。10分ほど休憩して少し治まったので、そのまま下山。休憩中に通りかかった夫婦が水をくれた。旅先での人の優しさに触れられて感動。

tottori-8198無事下山。天守台は次回訪問時にとっておくことにして、二ノ丸・天球丸の周囲の石垣を見て廻ることにしよう。まずは二ノ丸の東南隅にあった「菱櫓」跡へ。

tottori-8198a-8197菱櫓跡 説明板。その名の通り、建物も櫓台もひし形に整形されていたようだ。二ノ丸の西南隅にあった「三階櫓」と反対の西南隅にあったこの「菱櫓(二階櫓)」とがセットで、鳥取城の典型的な姿だったようだ。

tottori-8199菱櫓跡へ。上へあがると菱型っぽい印象はあまりない。二ノ丸の突端にあるため、眺望が大変よろしい。コレで天気が良ければ最高かと。

tottori-8208菱櫓台の上から天球丸の石垣を見る。右前の大きな石垣の上が天球丸だ。天球丸の下の石垣が修復工事をしていて、この菱櫓台からちょうど工事の全貌がよく見えることから工事の説明板も立っていた。手前の深緑のシートがかかっている部分が工事対象の石垣。

tottori-8209a-8204天球丸腰石垣 解体修復工事 説明板。シートがかぶさる前の写真が載っている。一見崩れそうには見えないが崩落の恐れがあるため解体修復工事、とある。その構造から1720年以降に構築された石垣とのこと。この石垣の上には供待所と便所があったとのことだ。細かい文字はクリックして拡大。

tottori-8213菱櫓台を降りて天球丸下へ向かう。菱櫓台の周囲をぐるっと回っていくルートになる。ここには表御門があったようだ。今は工事のため立入禁止だが、このまま表御門を通ってまっすぐ進み、天球丸前の石垣を左へ曲がると山上の丸および二ノ丸へ続く道へとつながる。

tottori-8214a-8227天球丸下 曲輪へ。球状の巻石垣が目前に! これはすごい迫力だ。球状の部分の下側ももう1重 丸く抑えこんでいる。

tottori-8215a-8226もっと近づいて見てみる。最初見た時(説明板を読む前)は宗教的な設備かと思ってしまったぐらい、大きな球体をしている。

tottori-8215b-8235少し斜めから球体を見る。当然 球体を意識して造っているわけではないので、こちらの角度から見ると下のほうが伸びていて球体ぽく見えない。それにしてもフシギな形だ。

鳥取城-天球丸の構造変遷天球丸の構造変遷 説明板。発掘調査等の結果、天球丸の石垣は3度に渡って造営されていることが分かり、その変遷等について細かく説明している。とても興味深い。なお特徴的な球体の石垣は球状の表面に貼られた石が近年以降に大部分を抜き取られてしまっており、復元工事前は土がむき出し状態だったとか。細かい文字はクリックして拡大。

>> 鳥取城 [後編] へ続く。<<

訪問時期:2014年3月
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