飛雲閣 特別公開 訪問記 その2です。
訪問時期:2023年5月
飛雲閣 特別公開 訪問記 − その一、その二、その三。
<訪問記>
飛雲閣のある滴翠園から出てきた。御影堂では法要が始まるようで、大勢の信者が列をなしてお堂へ入っていった。御影堂は1636年(寛永13年)建造で、こちらも国宝。 では国宝唐門を見に行ってみよう。書院・唐門はこちらです、という案内板に沿って進む。 国宝・唐門。書院の正門にあたるという。西本願寺の南側の外壁ライン上にある。こちらは境内側から見た内側の姿。 唐門・説明板。親柱の前後に控え柱がそれぞれ立っているため、前後から見てもほぼ同じ形をしている。 唐門は近年は開けられることがなく、ずっと柵で囲われている。離れたところから見られるのは上半分のみ。 柵の隙間から見上げるように装飾を見た図。麒麟や唐獅子など中国の神獣や、故事をモチーフにした彫刻が極彩色で形どられている。 屋根の真下の部分は彫刻はなく黒光りする漆塗りになっている。 扉の左右、控柱と親柱の間にあるのは中国故事の「許由巣父(きょゆうそうほ)」をモチーフとしたもの。右側が許由、帝の位を譲ると言われた許由は、出世を良しとせず、穢らわしいものを聞いてしまったと河で耳を洗っているシーン。左側が巣父、その耳を洗った水を牛に飲ませたくないと立ち去るシーン。栄貴を忌み嫌う例え。 控柱の釘隠し。菊紋と桐紋のコンボ。 唐門内側の内部。 扉の上部は巨大な松の木の彫刻で、中央に蛙股があり、その内部も松の木になっている。松の木の向こう側には孔雀がいる。門の外側からその孔雀が見える。 唐門全体を斜めから。シンプルな白い外壁に、突然挟まれるド派手な唐門。 ド派手な唐門。他の建物を見ても、この唐門だけド派手すぎることから、別の場所(伏見城など)から移築されたのでは、と言われる。 唐門 内側 全景。 唐門 内側 全景アップ。2021年に修理が完成したばかりのため、まだまだ極彩色豊か。 では唐門の外側を見に行ってみよう。一度 西本願寺を正門(御影堂門)から外に出て、外壁に沿ってぐるっと先ほどの唐門の表側まで回り込む必要がある。こちらは、御影堂の前にあった法要の幟。デザインがおしゃれ! 御影堂 全景。法要が始まったので外にはほとんど人が居ない。 お茶所の中に保管されている、滴翠園の鐘楼に掛けられていた初代梵鐘。なんと平安時代 鋳造!上部の木造の龍頭が珍しいものとのこと。 梵鐘 説明板。国重文。 同じくお茶所にあった、飛雲閣の模型。内部もしっかり作られていて、一部中が見えるようになっている。 飛雲閣の二階と三階部分。二階は内側にも歌仙が描かれ、内部は畳敷。三階はあまりよく見えなかったが、金箔張り!? 一階は畳敷の広い部屋。 模型の上にあった、飛雲閣と修復工事完了の説明パネル。飛雲閣は2017年7月より2020年4月まで、2年10ヶ月の修復工事を行なっていた。
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訪問時期:2023年5月
撮影機器:FUJIFILM X-T20 + XF10-24mm