伊賀谷城 訪問記 其の二。
[前回までの訪問記 概要]
伊賀谷集落の三柱神社裏から急斜面を直登。10分ほど登ると南曲輪を守る畝状竪堀群へ到着。切岸を取り囲むように無数の竪堀が掘られており、それらが明瞭に残る。其の二では、城の北側に築かれた竪堀群と、北尾根を強烈に分断する二連堀切を見に行きます。
訪問時期:2021年12月
伊賀谷城 訪問記 − 其の一、二。
<訪問記>
北曲輪の東側を見下ろす。南側とは異なり、こちらは更に巨大な竪堀が無数に築かれている。 切岸を降りて、城の東側に構築された巨大竪堀群を間近に見てみよう。 南側に比べ、各竪堀は幅広で、斜面上に長く展開されている。写真でこれだけ分かるので、肉眼で見るとその立体感に圧倒される! 城の東側には強烈な竪堀が何本も平行して構築されている。 しばし城東側の竪堀群を見る。1.5mから2m幅の枯葉が積もっている。この下にV字の薬研堀が埋まっているとしたら、2m−3mの深さはあるかも。 一番端っこ(南側)の竪堀は細い土塁で二重に分かれていた。この奥は急な斜面になっていて、登ってくるのは厳しそうだった。 では北側を見に行ってみよう。北側に行くほど大きな(幅広の)竪堀が構築されている印象。 かなりのV字具合が今も残っていてよく見える竪堀。 そして城の北側に構築された、巨大な二連堀切。斜面部分は竪堀になっている。左の城側の切岸もかなりの角度・高さが構築されていて、北側から城に入るのも厳しくなっている。 城の北側の二連堀切。を斜面の下の方から見上げる。二連になっているのは城正面だけで、斜面下の方はこの通り一本の幅広の竪堀になって斜面下へ落ちていく。 二連堀切。 二連堀切。いやーすごい。ここがこの城の最もキャッチーな場所ということで、同行者で集まって写真を撮った。 二連堀切。 二連堀切が斜面下で連結し一連になり、そのまま斜面下へ落ちていく様子。 二連堀切の中央部の土塁(中央分離帯)から城側を見上げる。奥が主郭部で左側が帯曲輪。 二連堀切を上から。 城の外側(北側)から二連堀切を見る。尾根筋がザクッと削られスゴい段差になっているのが今も分かる。 二連堀切の先は、特に目立った防衛施設はなく、細長い空間が続く。 尾根は更に先へと続くが、木々が竹林に変わったあたりの左側(城の西側)の谷へ降りれそうな緩やかな部分がある。ここから西の谷へ。谷から城を目指す場合はここが城のある尾根へ上がるポイント。 とはいえ、現場はかなり荒れており、古い竹や枝などが散乱した斜面を無理やり降りる。 谷間で降りてきた。少し雨が降ると全体的にベチャベチャになりそうな様相の場所。雨上がりに訪問すると難儀しそうだ。 途中から真ん中に石積みの谷川が流れ、川の右側か左側の細くなっている部分を歩いていくことになる。右側はかなり細く、左側はは廃竹が散乱していて、道選びが大変だった。 だいぶ降りてきたところで、一段降りた先が全体的に沼っぽくなっているところも。無理やり進むしか無い。 ここまで来れば下山完了。あとは舗装された道を通って登山口へ戻ろう。 当日のGPSログより。こうして見ると谷筋ルートはかなり奥まで行かないといけないため、往路は神社裏を直登した方が時間的にも距離的にも早そうにも思える。城域の規模は小さいが、全行程1.4km、1時間半かかった。時間には余裕を持って訪問しよう。
訪問時期:2021年12月
撮影機器:FUJIFILM X-T20 + XF10-24mm