小田山城 [会津] : 葦名氏の旧本城だが新政府軍の若松城砲撃場として有名。

会津 小田山城
小田山城は会津若松城の南東1.5kmほどの山上に残る古城跡で、かつて会津の戦国大名・蘆名氏の本城(詰城)だった。16代 葦名盛氏が新たな居城として向羽黒山城を築いたことで小田山城は廃城となったものの、その後も蘆名氏の墓所や江戸期の会津藩家老などの墓所となった。幕末の戊辰戦争では新政府軍が会津藩の拠点・会津若松城に大砲を撃ち込んだ地としても有名。

<基本データ>
●名称:小田山城 (おだやまじょう)
●所在:福島県大沼郡 (地図)
●城主:蘆名氏
●築城:14世紀頃
●遺構:堀切、土塁

訪問時期:2017年5月


<訪問記>

odayamajo_01_0233小田山城跡は、現在は小田山公園として公園化されている。登山口に何台か車が停められるので、そこから登城しよう。

odayamajo_02_0232小田山城登城口にある簡易マップ。城跡までは整備された登山道を約1.4km。

odayamajo_03_0234小田山城跡は中世山城としての遺構は少なく、蘆名氏や江戸期の会津藩家老たちの墓所として多くの墓碑などが建っている。こちらは蘆名家壽山廟跡(下)。かつて廟があった場所、ということで、現在は何も無い。

odayamajo_04_0236(伝) 八代葦名詮盛 墓跡。墓の跡と言い伝えられている場所(痕跡なし)。

odayamajo_05_02371km以上の登山になる。道は整備されているので登りやすい。

odayamajo_06_0241道沿いのちょっとした削平地は観音堂跡となっていた。葦名七代 葦名直盛の母が観音堂を築いたという。1354年建立の由緒あるものだったが、戊辰戦争で惜しくも焼失。

odayamajo_07_0244蘆名家壽山廟跡(上)。こちらは藪まみれで入ることも難しい。滅びるとはこういうことか。

odayamajo_08_0245幕末や明治の志士らの墓所への道(右手前)。城跡へは奥の道を右へ。

odayamajo_09_0248曲がり角に建っていた、家紋が彫られた石柱。柊紋だが、蘆名氏の家紋でもなく。

odayamajo_10_0250右へ左へ折れ曲がる整備された登山道を上がっていくと、眺望がひらけた場所へ。大きな「西軍砲陣跡」と書かれた標柱が立っている。西軍とは(もちろん石田三成ではなく)新政府軍のこと。小田山から幕府軍(会津藩・奥羽越列藩同盟)の籠もる若松城へ大砲を放ったことが知られる。ここか!

odayamajo_11_0310しばらく進むと、一段と眺望が開けている場所へ。

odayamajo_12_0253説明板もあるようだ。木々は伐採されてはいるが、それも昔の話で、今はまた高木が伸びつつある。木は一度斬ると整備し続けないと自由に伸び放題となってしまう。

odayamajo_13_0254新政府軍砲陣跡 説明板。砲台跡はここで8門分見つかっており、ここから若松城天守までは1360m、持参した砲台は1500mの射程を持っていたため、若松城天守はボロボロになってしまった(が倒壊せず!)。そういえば佐賀城には9ポンド (約4kg) のアームストロング砲が展示されていた。

odayamajo_14_0255新政府軍の砲台跡から見る、会津若松城の天守。正面奥の緑の左側にある。1.3kmあるので結構遠いが、あそこまで大砲を撃っていた。一見当たりそうも無いが、何十発何百発も撃てば、いずれは当たるか。通常の写真では小さすぎて判別しづらいので、拡大 ↓。

odayamajo_15_0309-2a小田山城跡から見る、会津若松城 天守。手前の目立つドームは鶴ケ城体育館。

odayamajo_16_0259更に山を登る。

odayamajo_17_0260小田山城跡 曲輪群 説明板。室町期あるいはそれ以前に築かれた中世山城のため、技巧は余り凝らされておらず。山頂の曲輪を中心に三日月状の帯曲輪が幾つか段々に刻まれ、重要な尾根は堀切で断ち切られている。今通っているこの遊歩道も、かつては主郭から段々に刻まれた帯曲輪の一つだったようだ。

odayamajo_18_0262大きく道が曲がる場所へ。左奥に見える建物は城内唯一のトイレ。

odayamajo_19_0263小田山城跡 大手口 説明板。主郭跡には江戸時代の松平家の家老だった田中玄宰や丹羽一族の墓などが立ち並ぶ場所となってしまったが、その主郭を中心として七段の三日月型の帯曲輪が作られ、その下には1mの土塁を持つ大手虎口があるという。ということで藪に入ってみたが全く分からなかった。そしてやはり、三日月型の帯曲輪を利用して今の道路が造られたため、右へ左へ迂回しながら上がっていくようになっている。

odayamajo_19a-0308大手口のカーブの場所は、上の帯曲輪部が少し整備されていた。かつてはここに復元冠木門や柵などがあり、雰囲気を出していたそうだが、いつの間にか破壊撤去されたそうだ。右下のスロープになっている場所は石段だったという。

odayamajo_20_0266大手口からもう1段あがると、やがて主郭へとたどり着く。今までにない広大な曲輪になっている。そしてここは先の説明にあったとおり、石碑や墓碑が多く建てられている。

odayamajo_21_0267主郭部に入ってすぐに目に入ってくるのは、会津藩家老 丹羽能教 およびその一族らの墓石群。会津藩および幕政に随分と寄与した人物のようだ。

odayamajo_22_0269こちらが丹羽能教およびその一族の墓。広い曲輪にこれだけの巨大な墓石がズラリと並ぶ姿は異様だ。また当時は小田山城跡も放棄された数百年前の山城跡に過ぎず、道も整備されていないだろうから、そこにコレだけの巨石を持ってきたのはさぞ大変だっただろう。

odayamajo_23_0270更に奥へ。こちらは一段低くなっているので、二の曲輪的な場所か。

odayamajo_24_0272途中 高台に設けられた古い石碑。昭和初期にここが名勝旧蹟として公園化された際に建てられた記念碑だった。昭和12年建立。

odayamajo_25_0278そして主郭奥へ。奥にそびえる巨石もまた家老の墓。

odayamajo_26_0279主郭の奥、一番高いところに置かれた巨石。田中玄宰墓、と書かれている。

odayamajo_27_0280田中三郎兵衛玄宰 説明板。会津藩の家老にして、大老。天明の大飢饉の後に会津を立て直した立役者という。遺言として、若松城と日新館(藩校)を望見できる小田山山頂に葬られたとか。

odayamajo_28_0281田中玄宰の墓。先の丹羽の墓石よりかなり大きい!これをここまで運ぶのはさぞかし大変だったことだろう! 藩主三代に仕えた家老の力、恐るべし。

odayamajo_29_0282更に奥へ。主郭跡と思われる削平地の一番奥に「小田山城跡」の石碑が立っている。

odayamajo_30_0284建っているのではなく、倒壊したので、木に立てかけてあるだけだった。元は何処に建っていたのか。承久四年 (1222) 葦名光盛 築く、とある。鎌倉時代!

odayamajo_31_0288里山再生事業の説明板に小さく載っていた図。葦名時代は山城でした。中央に描かれている大きな曲輪が主郭か。奥には物見台らしき塔や、その先に堀切などが描かれている。これらを見に行ってみよう。

odayamajo_32_0290s主郭奥の坂道をあがっていく。

odayamajo_33_0296隣の尾根の頂部。物見櫓があったとされる場所へ。説明板などが建っている。

odayamajo_34_0293物見櫓跡にある 小田山城 説明板。蘆名氏 20代 400年の歴史が簡単にまとめてある。ここまで来ないとこの説明板を読むことが出来ないのは良い感じだ。

odayamajo_35_0295物見櫓跡から見る会津城下。若松城は方角が異なるため見えない。黒川城(現 若松城)へここから狼煙を伝えるのはちと難しい気が。正面の山地に中継ポイントがあったのだろうか。

odayamajo_36_0292物見櫓跡から見る会津城下。真下にも何か削平された場所が見えるが、通ってきたルートとは異なる場所。

odayamajo_37_0298更に奥に道は伸びている。ここに高さ5mほどの物見櫓が建っていたとすると、かなりの眺望とともに、かなりコワかったことだろう。。。

odayamajo_38_0301物見櫓からさらに奥へ。幾つか堀切があるということだが、ここも一つの堀切だろうか。

odayamajo_39_0303左右が大きく落ち込んでいる、竪堀っぽい場所。遊歩道以外の場所はかなりの高さの草が生えていて入れない。

odayamajo_40_0306ここも堀切、か。これ以上奥には普通の遊歩道が続くばかりだったので、散策はここまで。

odayamajo_41_0304陸軍用地の石碑。

中世山城跡というよりほぼ墓地という印象の小田山城跡。戊辰戦争の折にここから若松城を砲撃した地として、若松城の赤い天守を眼下に望んでみよう。若松城あるいは向羽黒山城を訪れた際はセットでぜひ。

訪問時期:2017年5月
撮影機器:FUJIFILM X-T10 + XF14mm
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