安口城 安口西砦 : 巨大な堀切と石垣を持つ旧街道沿いの小城と砦。

安口城 (はだかすじょう) は丹波を東西に貫く旧街道沿いの小山の上に残る城跡。八上城の波多野氏を頂点とする丹波国衆の白井氏(籾井氏とも言われる)が守っていたが、他の城同様、天正期の明智光秀による丹波攻めで落城したと伝わる。尾根の先端に石垣と大堀切を持つ安口城、その西隣に畝状竪堀群を持つ安口西砦があり、谷を挟んで隣り合わせにあることからセットで語られることが多い。安口城の後に続けて安口西砦をセットで訪問したので、当サイトでも行程どおりセットでご紹介。籾井城の東側、前線の位置にあたる。

<基本データ>
●名称:安口城 (はだかすじょう) + 安口西砦
●所在:兵庫県篠山市 (地図)
●築主:白井右近?籾井氏?
●築城:16世紀頃
●遺構:堀切、土塁、石垣、曲輪 等

訪問時期:2016.5


<訪問記>

丹波山城難読No.1、安口城へ。はだかすじょう。安口 (はだかす) と言うのはこのあたりの地名。

hadakasu-jo-9560a-9693旧街道沿いの北側、籾井氏の籾井城の東隣(明智軍に対し前線側)に位置する。川に架かる橋の向こう、右側の山頂が安口城で、左側の山頂が安口西砦。

hadakasu-jo-1a-map戎光祥出版「図解 近畿の城郭III」p.418より加筆引用。ここも現地に説明板等が無かったので、書籍より引用して説明する。安口城へは整備された登城路があり、山頂にはキレイに削平された曲輪と、それらを隔てる巨大堀切や石垣などが残る。逆に、安口西砦には登城路はなく(斜面を直登)、曲輪の削平等も甘く古い城跡の印象だが、背後(西側、八上城側)には幾つもの畝状竪堀を備えるなど戦いのための砦という雰囲気がある。全く印象の異なる2城だ。ちなみに尾根沿いに行こうとすると両者を隔てる谷筋を迂回しないといけないため、かなり大回りになる。

hadakasu-jo-9567では城跡へ向かおう。まずは橋を渡ってまっすぐ突き当たりにある獣害避けの柵を開けて中へ。

hadakasu-jo-9568柵の中に入ると坂道が山の中へ続いていく。まっすぐ進むと西砦のある谷方面へ。右へ曲がると安口城のある東側へ。まずは安口城へ向かおう。

hadakasu-jo-9570上の写真の先を右に曲がると墓地があり、そこを越えて更に奥に向かうと、安口城と西砦の間にある谷筋へ出る。一面の竹林。右側に苔むした石積みが見えるが、炭焼き場とのこと。

hadakasu-jo-9571a-9652その炭焼き場の石垣の脇に山頂へ向かう道が作られているので、そこから登る。

hadakasu-jo-9572a-9649非常に分かりづらいが、斜面に張られたネットに沿ってあがる。しばらく進むとつづら折れに山道が見えてくる。

hadakasu-jo-9576登ること10分ほど、山頂へ到着する。入口はやや虎口っぽくも見えるが削れてよく分からない。

hadakasu-jo-9577山頂に到着。ここが一番広い主郭に相当する曲輪。今は植林されていて全体が見渡せないが、結構広い。しかしこの主郭の見どころは、この削平地ではなく、周囲にある。

hadakasu-jo-9579主郭へ上がってきたところに見られる土塁跡。下から見ると余りわからなかったが、上から入口を見返すと土で壁を作って虎口を形成していることがよく分かる。

hadakasu-jo-9580a-9587見どころ その1。すごい切岸。自然の山に見られる丸い感じは全く無く、カクっと折れ曲がるように平面部と斜面部が作り分けられている。すごい。

hadakasu-jo-9583見どころ その2。主郭の周囲にはかつて石垣がぐるっと取り囲んでいたのだろうか、枯れ草と土に隠れながらも、横に長い石垣(石積み)が顔を見せている。こちらは主郭入口入って右手の斜面にある。

hadakasu-jo-9586主郭右手の石垣。掘るともっと出てくるのかもしれないが、露出しているところでは2−3段の低い石積みで、かなり横に長く積まれていることが分かる。

hadakasu-jo-9587a-9615主郭入って左側の切岸。此方側もスゴイ、断崖絶壁のように急斜面が形成されている。しかもこの斜面にも石垣跡が残っている。さすがにここからでは降りれそうにないので、降りれそうなところを探してみる。

hadakasu-jo-9588a-9605先人の知恵、赤いビニールテープが付けられているところから、斜めに降りれそうだ。写真で見る限りは急斜面だが、現場だとつづら折れに降りれる気がする。

hadakasu-jo-9589斜面を降りていく。切り立った主郭外周の絶壁。

hadakasu-jo-9590a-9595そして奥を見ると、切岸の上の方に石垣が見える。あそこまで登ってみよう。

hadakasu-jo-9592主郭周囲の切岸上に残る石垣の跡。

hadakasu-jo-9593もう少し無いか探してみたら、もう少しだけあった。全体的に枯れ草が積もっているので、キレイに整備したらもっと出てくるかもしれない。

hadakasu-jo-9598そのまま斜面を奥に降りて、主郭東の尾根上に展開された曲輪群を見る。段々に削平されている。

hadakasu-jo-9603段々の曲輪群を上に上がっていく。途中の曲輪にあった、スロープのような、登り土塁のような、土の盛り上がり。

hadakasu-jo-9610主郭へ戻ってきた。続いて西側に展開された、巨大堀切群を見に行こう。主郭西端には櫓台跡のような土塁跡。

hadakasu-jo-9611その土塁の上から西側を見下ろすと、尾根を豪快に断ち切る巨大な堀切が眼下に!ここから降りるのはさすがに無理そうなので、グルっと回り込んで堀切の下へ。

hadakasu-jo-9648こんな感じで主郭斜面を西へ横移動していくと、巨大な堀切が見えてきた!

hadakasu-jo-9620主郭西の大堀切。手前が主郭、奥が副郭。

hadakasu-jo-9627主郭西の大堀切を底から見上げる。見事なV字。

hadakasu-jo-9629主郭西の大堀切を副郭側から。向こう側が主郭。かなりの高さがあることが分かる。

hadakasu-jo-9630大堀切を越えて副郭へ。この向こう側にも二重堀切が築かれている。

hadakasu-jo-9632s副郭の一番西側にはまたしても土塁。堀切の手前に土塁が築かれていると堀切の高さが更に強調される。

hadakasu-jo-9633副郭西端の土塁上から、二重堀切を見下ろす。木が多くて見づらいが、確かに二本の堀切が見える。降りてみよう。

hadakasu-jo-9638s副郭西側の二重堀切。こちらは手前、奥の盛り上がりの向こう側にも堀切がある。

hadakasu-jo-9640副郭西側の堀切。右側が副郭、左側が二重堀切の中央分離帯(土塁)。

hadakasu-jo-9642土塁の上から、堀切と副郭を見る。元々は繋がっていた尾根筋をこれだけ削り取っている。

hadakasu-jo-9643土塁の上からまっすぐ副郭方向を見る。

では安口城はここまでにして、一旦下山、入口から西の谷へ入って斜面を直登し、安口西砦を目指す。

hadakasu-jo-9656安口西砦の北側にある谷筋から斜面を直登、城の西側へ出た。最初の縄張図に記載されていた二重堀切・畝状竪堀のちょうど真下。中央の土塁は二重堀切の中央分離帯。

hadakasu-jo-9661s少し角度を変えて。かなりモコモコっとしている。ここは安口西砦の西側、西隣には道を隔てて籾井城がある。そちら側に堅固な多重堀切が設けられている。

hadakasu-jo-9666s二重堀切感を強調して超広角レンズで撮影。

hadakasu-jo-9671二重堀切を砦主郭側から。

hadakasu-jo-9675砦の内部は幾つかの削平地が連なっている。削平も甘く、先ほどの安口城に比べるとこぢんまりで古い印象。城ではなく、あくまで明智軍を迎え撃つための兵の駐屯基地といった印象。

hadakasu-jo-9682砦の東側(安口城側)にも浅いものの幾つかの堀切が設けられている。

hadakasu-jo-9688砦の東側の堀切。

籾井城の前線基地的な位置にあたる安口城と安口西砦。位置関係から籾井氏の支城という見方もあるようだ。第二次丹波攻めで安口城や籾井城は善戦むなしく落城してしまうが、戦いのための砦と、ある程度しっかり作りこんで居住も可能な印象の城跡、籾井城とセットで訪れたいところだ。ただし西砦はほぼ道が無く直登必至なので要注意。

訪問時期:2016年5月
撮影機器:FUJIFILM X-M1 + XF14mm
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