勝連城 [2/3] 高石垣沿いの長い階段を上がって一の曲輪へ。

勝連城 訪問記 第二回(全三回)。

[これまでの概要]
標高100mの小丘の上にそびえる勝連城へ。まずは城の前にある休憩所で資料や出土品などを見て予習、そして坂を上がって城内へ。現在の登城路はかつての裏口、搦手道にあたるようだ。旧道は工事中のため入れず、車道から入城。史跡碑のあたりまでやってきた。Part2ではまず主郭を目指して長い石段を上へ。

Links: 勝連城 訪問記 その一


<訪問記>

katsuren-gsk-4554c-4662カーブを描いているからか、少しずつ表情を変えながら近寄ってくるカービング石垣。階段は長いが、飽きさせない。ここで疲れる人はあまり石垣に興味が無い人だろう・・・。

katsuren-gsk-4554d-4660最後の直線部分へ。右側に高石垣がそびえる。攻城時は、この上から石やら弓矢やらがドッサリと落とされてくることを想像すると、なかなかにコワイ。

katsuren-gsk-4554e-4659三の曲輪の右側を見てみる。微妙にカーブを描きながら石垣が構成されている。琉球石灰岩の岩盤を取り込むような形で石垣が築かれている。そして石垣そのものは横の目地がしっかり揃った、切込ハギ布積み(和式城郭での呼び方)。また三の曲輪の外周にも坂を上れば行けそうなので、帰りに行ってみよう。

katsuren-gsk-4558いよいよ石段を登り終えて、三の曲輪へ。

katsuren-gsk-4558a-4655三の曲輪の入口。かつてはここに立派な城門があったという。西原御門とは異なり、ここは石垣を繰り抜いたアーチ型埋門ではなく、通常の柱と屋根を備えた城門だったとか。城門の具材を埋め込んでいたと思われる石材の切れ目も左右に2つずつ見える。

katsuren-gsk-4559城門を越えて、いざ三の曲輪へ。かなり広そうだ。

katsuren-gsk-4561ふと振り返って城門跡を見る。石垣の角が丸く加工され、地面も石畳になっている。

katsuren-gsk-4562a-4560「三の曲輪城門(四脚門)」説明板。発掘調査で礎石に四カ所の窪みが見つかり、四本柱を持つ城門(いわゆる薬医門形式)だったと判明したという。絵図では実に日本式な城門が描かれているが、実際には赤い瓦を葺いた首里城っぽい城門だったかもしれない。説明板には何故か「薬医門と言えば東大赤門(武家屋敷門)が有名」とわざわざ書かれているが、薬医門はどこの城にも大抵あったいわゆる普通の門。ちなみに薬医門は屋根が大きくなり過ぎて内側から外が見辛いなどの理由で、屋根を小さくするために後ろに小さな屋根をせり出して支える形式の「高麗門」や、柱が二本だけのスッキリした「棟門」も、よくある城門様式の1つ。

katsuren-gsk-4562b-4651三の曲輪城門を内側正面から。はるか向こうには真っ青の太平洋。すばらしい。

katsuren-gsk-4566そして、三の曲輪へ。目の前の、小さな石段の上が御殿があった二の曲輪にあたる。三の曲輪は御殿の手前の横に細長い曲輪。

katsuren-gsk-4567「三の曲輪」説明板。発掘調査の結果、古くは掘っ立て小屋、水溜瓶跡、そして二の曲輪の御殿前の儀式の広場として使われていたことが、判明したそうだ。グスク時代に埋葬されたと思われる人骨まで発見されている。

katsuren-gsk-4569三の曲輪 城壁ギリギリから、一の曲輪の城壁外周を見てみる。まさに、山の上にそびえる城。

katsuren-gsk-4570三の曲輪にあった「石積み」説明板。沖縄のグスクでは「野面積み」「布積み」「相方積み」の三パターンが多く見られ、ここ勝連城はほとんどが「布積み」という。和式城郭の三段活用「野面積み」「打込ハギ」「切込ハギ」とは異なる分類の仕方が興味深い。相方積みは、和式城郭では「亀甲積み」などとして江戸期の大大名による巨大城郭で見られる(例:金沢城)。

katsuren-gsk-4571三の曲輪を散策。さすが御殿の石段、かなり立派な造りになっている。

katsuren-gsk-4573三の曲輪から、二の曲輪の基壇を見てみる。中二階みたいな場所があって、脇には古い感じの小さな野面積みの石垣も見える。かつてはここに御殿の一部がせり出していて、あの古い石垣は見えなかったのかもしれない(想像)。

katsuren-gsk-4574a-4572「二の曲輪基壇」説明板。二度の建て替えがあったことが分かっているので、先ほど見えた古い石垣も、そのときのものかもしれない。

katsuren-gsk-4578では基壇の上へあがってみよう。上はいかにも御殿が建ってました!という感じで整然と並んだ礎石が目を引く。

katsuren-gsk-4580二の曲輪 説明板。周辺から大和系瓦(日本の瓦のことか?)が見つかっていることから、日本から「輸入」した瓦を使っていた可能性もあるとのこと。また、上の写真でも目立つ四方の石積みの枠のようなものは、用途不明という。かなり巨大な柱がここに建っておりそれを支えていたのだろうか?

katsuren-gsk-4582二の曲輪の巨大な殿舎跡。二〜三階建てだとしたら、上からはかなり良い景色が見られたことだろう。

katsuren-gsk-4582a-4585二の曲輪には御殿跡以外にも遺構が残る。そのうちの1つ、祈りの場所。

katsuren-gsk-4583「ウミチムン(火の神)」説明板。3つのかまどを意味する。確かに上の写真を見ると、石の壁で遮られた区画跡のようにも見える。琉球古来の信仰で、台所に火の神を祀り、家内安全を願う風習が今も残るという。

katsuren-gsk-4587もう1つ、奥に抜け穴跡の遺構も残る。

katsuren-gsk-4587a-4586「ウシヌジガマ」説明板。自然洞穴を利用した抜け穴で、一の曲輪の御嶽脇の洞穴と繋がっているそうで、城主 阿麻和利はここを通って読谷村まで逃げ延びた伝説もあるとか。読谷村は勝連城の北西にあたるので、二の曲輪の殿舎から、この穴を通って一の曲輪へ出て、そこから断崖絶壁を下って城の北側に出て、島を横断して読谷村へ、というルートか。

katsuren-gsk-4588基壇上から、三の曲輪を見下ろす。礎石だらけの二の曲輪と比べると、三の曲輪は何だか淋しげ。とはいえ、色々遺構は残っている。三の曲輪の散策は下りで。

katsuren-gsk-4589ではいよいよ城内最高地、一の曲輪へ。最初の階段と同じく、右側から左側へ大きく旋回する巨大階段。

katsuren-gsk-4591階段の脇を見ると、昔の石段と思われる場所を発見。これは、ここを、通るでしょう。ということで、石畳の坂を登って上へ。

katsuren-gsk-4592結構ツルツルして上りづらかった。下りはこけないように階段から行くことをオススメ。そして、階段の終わりあたりから、いよいよ一の曲輪の巨大石垣が見えてきた。

katsuren-gsk-4593一の曲輪の真下部分、和式城郭で言うところの帯曲輪(犬走りというには広すぎる)へ。

katsuren-gsk-4594「一の曲輪階段」説明板。この階段は一の曲輪を守る最終防衛ラインで、石段の幅を少しずつ変える(徐々に狭まる)という工夫がなされているとか。

katsuren-gsk-4595一の曲輪下の帯曲輪から城下を見る。斜面をそのまま上ってきたという感じだ。そしてこの眺望。一の曲輪からの眺望が期待される。

katsuren-gsk-4597では一の曲輪階段をあがって、いよいよ一の曲輪へ。確かに階段を下から見ると、階段の角度が一定ではなく、上に行くほど急角度になっている。幅を変えている証拠。

katsuren-gsk-4599一の曲輪 階段から見た城下の景色。絶景かな、絶景かな!四の曲輪はまったく見えないけど、その向こうの東の曲輪(森の中)はしっかり見える。

katsuren-gsk-4602では、一の曲輪へ。二の曲輪に比べると、低い石垣に囲まれたこぢんまりした空間という印象。

katsuren-gsk-4603少し角度を変えて。一の曲輪(主郭)は祈りの場所でもあったとされ、御嶽跡(中央の石が露出している場所)の他に、瓦葺の建物もあったという。またここの城門跡から、休憩所に展示されていた「唐草模様のアーチ石」が発見され、装飾が施された荘厳な城門があったようだ。なぜか椰子の木のような南国風の木が一本生えている。城下からもピョコンとよく見えた。

katsuren-gsk-4605一の曲輪 説明板。岩盤を削って削平地を作り、瓦葺の建物もあったという。瓦や陶器、青磁など、いろいろ出土しており、ただの遥拝所ではなく、何か生活の場所あるいは360°の眺望を活かした物見の場所があったのかもしれない。

>> 勝連城 [3/3] へ続く。<<

訪問時期:2015年12月
撮影機器:FUJIFILM X-M1 + XF14mm
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