新宮城 新宮支城 : 高さ10mの超弩級土塁を擁する甲賀城館跡。

新宮城・新宮支城(近江)は甲賀地方で数多見られる典型的な方形単郭型 城館の1つ。甲賀では室町〜戦国期にかけて「甲賀郡中惣(こうかぐんちゅうそう)」と呼ばれる地元土豪たちの(水平的連合による)自治組織が作られ、土豪たちがそれぞれに城館を建てたことから、郡一帯にこのような小規模城館が数多く並ぶ状態となった。信長の近江侵攻に対する自衛的動きとされる。そんな城館群の1つである「新宮城跡」は川沿いの丘陵上に築かれており、特に保存状態の良い新宮支城には10m以上の超弩級土塁が威容を誇っている。国史跡「甲賀郡中惣遺跡群」を構成する一つ。

<基本データ>
●名称: 新宮城・新宮支城
●所在: 滋賀県甲賀市 (マップ)
●築主: 服部氏?
●築城: 16世紀頃?
●遺構: 土塁、空堀、曲輪跡

甲賀郡中惣遺跡群 : 新宮城/新宮支城村雨城/寺前城竹中城


<訪問記>

shingu_koka_map(サンライズ出版「近江の山城ベスト50を歩く」p.175 より引用・加筆)

近江 新宮城・新宮支城 縄張図。JR草津線 甲南駅の南、南北に伸びる県道49号線沿いに登城口がある。図の最下部に破線で左右に引いてあるのが県道。赤線が始まる部分に登城口を示す標柱が建っている。まずは新宮城(図右)、ヤブ化が進み遺構は残っているが見づらい。続いて一旦県道に戻ってから50mほど南下し、新宮支城(図左)へ。こちらは単郭のみの城館跡だが、その土塁がスゴイ!中もきれいに伐採されており非常に見やすかった。

shingu_koka-3573新宮城、新宮支城への明確な(当時の)登城口は無く県道から適当に入っても到達できるが、一応 行きやすい道のところに上記のような説明板と標柱が建っている。

shingu_koka-3574新宮城・新宮支城 説明板。「甲賀郡中惣遺跡群」として付近の城館跡等は包括的に国指定史跡となっている。紀州新宮城にも負けていない(あちらも国指定史跡)。ちなみに国指定されているのは、ここ新治地区に残る5城のみ(新宮城・新宮支城・村雨城寺前城竹中城)。

shingu_koka-3575sではまず新宮城へ。先ほどの説明板(左端に見えている)のすぐ右横に山道がある。中は鬱蒼とした森の様相。

shingu_koka-3576新宮城跡への山道。小丘陵上なので、すぐに城跡につく。

shingu_koka-3577s山道に沿って斜面を登る。斜面の上からが城跡となる。新宮城は単郭ではなく、枡形虎口などを備えた幾つかの曲輪群から成っている。

shingu_koka-3580道がぐるりと弧を描くように築かれている。

shingu_koka-3584正面が枡形虎口とされる場所。

shingu_koka-3587虎口を出たところに再度「新宮城」の標柱あり。確かに土塁で食い違い虎口のような形が作られていた。

shingu_koka-3588主郭周囲の土塁と横堀。

shingu_koka-3591主郭内部の様子。12月訪問でも、この草ボウボウ加減。あまり整備はされていない様子だ。主郭内に入るのはやめておこう。幸い(?)主郭南側の土塁上が道のようになっていて、主郭に入らなくてもそのまま主郭奥へ行く事ができるようになっていた。

shingu_koka-3593主郭奥の虎口跡。この奥は団地になっていた(新治団地)。団地建設の際に新宮城跡もろとも潰してしまうようなことが起こらなくて本当に良かった。

新宮城跡は正直あまり整備されているとは言えず、分かりづらい状況だった。では再度 県道へと戻り、新宮支城へ。

shingu_koka-3548車道を50〜100mほど南へ。「新宮支城」の標柱が目印。道は特にないが、このあたりから中に入っていこう。

shingu_koka-3549中に入ると土の壁が目の前に飛び込んできた。主郭はあの奥の奥。

shingu_koka-3551下の曲輪群?を遮るかのように造られている土塁。逆らわず、左へ進もう。

shingu_koka-3552左(南)へどんどん進んでいく。いずれ右側の巨大土塁を越えないといけないのだが、ここからでは上がれそうにないので、奥へ。

shingu_koka-3553途中 井戸跡のような凹みもあった。落ちないように注意。

shingu_koka-3555このあたりから土塁を上がることが出来そうだ。

shingu_koka-3557土塁の切れ目のような虎口を通って、新宮支城の主郭へ。

shingu_koka-3558新宮支城の主郭は、新宮城のそれとは異なり、草木も刈られ非常に見やすい状態に整備されている。そして、その周囲を取り巻く土塁の高さに驚かされる!

shingu_koka-3559360度ぐるっと回っても、土塁!土塁!!土塁!!!

shingu_koka-3560土塁の角部。

shingu_koka-3563とにかく大迫力の土塁。甲賀武士がこれだけの土塁を築く事ができたのは、技術力もさることながら、甲賀地区特有の粘土質な土壌(古琵琶湖層)にもあるという。あとは、近江侵攻を着々と進める信長への恐怖心か。。。

shingu_koka-3564場所によっては植林された杉の木がバンバン生えているが、土塁の迫力はよく見える。ただ夏場は草ぼうぼうかも知れない。

shingu_koka-3565少し離れて見ても、この高さ。

現地でのこの超弩級土塁の迫力は今まで経験したことがないほどのもの。しかしやはり写真ではいまいち高さ感というか「越えられない壁感」が伝わりにくい。ということで高さ比較の写真を1枚。

shingu_koka-3568a2身長168cmの私と土塁との比較。土塁の少し手前に立っているにも関わらずこの規模感、感じていただけるだろうか。

kokashingu-jo-8275では高い土塁の上へ登ってみよう。虎口あたりにやや緩やかになっている箇所もある。土塁の上から。ぐるっと一周できるような城壁になっている。かつてはこの上に柵が設けられていたのだろうか。

kokashingu-jo-8279高い土塁の上から、主郭内部を魚眼レンズで。広さと高さを同時に表現するのは難しい。

kokashingu-jo-8286虎口あたりの土塁がやや低くなった箇所から。

kokashingu-jo-8265虎口より新宮支城 主郭全景を魚眼レンズで。

shingu_koka-3571最後に主郭南側にある堀切を見に行くも、いいところにデカイ木がバンバン生えていて、いまいち見えず。残念。

甲賀地区だけで100以上あると言われる甲賀城館跡の中でも随一の高さの土塁を誇る「新宮支城」、甲賀の城めぐりをする際はぜひコースに入れておきたいところだ。

訪問時期:2014年12月 / 2016年10月 (一部)
撮影機器:FUJIFILM X-M1 + XF14mm
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