安土城 [7/7] 天主復元案の1つを実物大で再現した「信長の館」へ

安土城前回までの安土城訪問記。

巨大な大手道から登城。伝◯◯邸群、伝黒金門、信雄供養塔、信長公廟所、伝本丸を経て、ずらりと礎石が並ぶ天主台へ。下山は旧摠見寺の境内ルート。当時からの唯一の現存建造物である摠見寺三重塔と仁王門を見る。


<訪問記>

旧摠見寺跡を出て仁王門へ。

azuchi-6441旧摠見寺の入口にあたる「二王門」へ。

azuchi-6444二王門 裏側から。細い山道の中に建つ巨大な楼門。高欄があり如何にもお寺の門という感じだ。これ以上近寄ると巨大過ぎてフレームに収まらない。

azuchi-6446摠見寺 二王門 説明板。三間一戸楼門と呼ばれる実例の多い楼門だとか。楼門の正面左右には金剛力士像が祀られている。墨書きは元亀二年(1571)、安土山には築城に合わせて移築された。金剛力士像は応仁元年(1467)の作という。

azuchi-6446a-6453二王門 正面より。入口(下側)から見上げると、すごい迫力。当時の訪問客はさぞかし腰を抜かしたことだろう。門の左右に柵に囲まれたスペースが有り、二体の金剛力士像が安置されている。

azuchi-6449吽形(うんぎょう)。怒りを内に秘めた表情。

azuchi-6450阿形(あぎょう)。怒りを露わにする表情。二体でこの門を守る。

azuchi-6451二王門 正面内側。見上げるだけで、すごい迫力だ。

azuchi-6455石段を下りながら二王門を見返す。築城当時は、ここからのルートが本来の登城ルートだった。

azuchi-6458微妙に左右に折れ曲がる石段。なおこの道は旧摠見寺の参道でもあっただろうから、江戸期にも邸的に修繕等は入っていると思われる。平成の発掘調査では調査対象外となった。

azuchi-6459旧摠見寺からまっすぐ降りてくると、封鎖された道へ到達する。本来はここから更に真っ直ぐ城下へと繋がる「百々橋口門」へと繋がっていた。今は摠見寺により封鎖されている。実に残念。

azuchi-6461百々橋口の横から、伝秀吉邸跡へ続く山道が作られている。古絵図には載っていないので、恐らく観光用に作られた新道。特に見るべきものはないのでサッサと歩いて行く。

azuchi-6462伝秀吉邸の奥に到着する。再度大手道を見上げる。やはりすごい迫力。これで、パンフ等に示された安土城跡の散策ルートはおしまい。

安土城跡の近くには、安土城関連の博物館的な場所が3箇所ある。安土駅前の「安土町城郭資料館」、観音寺城跡近くの「安土城考古博物館」、そして復元天主を実物大再現した「信長の館」だ。ここでは「信長の館」訪問時のレポートを掲載する。

azuchi-6481a-6540城跡からは意外と遠い「信長の館」。車だと5分ほどだが、歩いて行くと20分以上かかると思われる。安土城跡訪問客を呼びこむには立地が悪い。この六角形の変わった建物が「信長の館」。

azuchi-6482a-6522建物に入ると、いきなり目の前に黄金&朱色の建物が目に飛び込む。これが実物大復元されたという安土城天主の六〜七重目部分。ちなみに「復元案の1つ」を再現したに過ぎないので、実際にあったものとは異なる(実際の姿は現在のところ不明)。

azuchi-6482b-6520天主復元案の六重目(下層)部分。特徴的な八角形の建物の中に、更に八角形の部屋があり、金で塗り固められた黄金の部屋が存在する。柱は朱色で、実に眩しい。

azuchi-6482c-6532全体像はこんな感じ。換算21mmでこれが限界。魚眼レンズがあれば歪んでしまうが全景を収めることが可能。

azuchi-6490下層部の内部。ちなみに中には入れない。文化財でも何でもないタダの復元案なのに、やたら厳重な扱いをしていることに違和感。一人2000円で中に座って記念撮影、というだけでも、かなり儲かる(=展示物の充実が可能)と思う。汚れるのを嫌うなら立ち入りの際は足袋かスリッパでも用意すれば良い。

azuchi-6492別角度から。安土城天主の本当の姿については絵図は残っておらず(描かれた記録はあるが見つかっていない)、「信長公記」に記される「天主次第」という文章ベースの資料のみ。それを元に、研究者が想像したのがこのモデル。信長が見たらあまりの違いにずっこけるだろう。

信長公記には六重目は「八角四間あり、外柱は朱、内柱は皆金」とある。あとは細かく絵図やらの説明が続く。

azuchi-6494六重目の印象を形付けるものの一つ、独特の形をした「花頭窓(かとうまど)」。彦根城天守などにも見られる、荘厳な天守にふさわしい窓の様式の一つ。

azuchi-6495細かい彫金が施された釘隠し。

azuchi-6502瓦は凹凸の凹部に金箔が貼られた高度なモノ(秀吉以降は逆に凸部に金箔)。鬼瓦は織田木瓜紋の全面金箔。これらは、発掘調査で出土した金箔瓦の現物をベースにしたデザインだろう。

azuchi-6503a-6512七重目には、建物の周囲に設置された階段から正面まで行くことが出来る。上には全身金ピカの鯱瓦が乗っているが、安土城跡から出土した鯱瓦は一部に金箔を貼ったものだったそうで (天主の鯱瓦片は出てきていないので断言は出来ないが)、天主の上に載っていた鯱瓦が全身金ピカだったという証拠は無い。

azuchi-6505七重目正面へ。高欄のある廻縁の直前まで行くことが出来る。

azuchi-6508七重目の内部。黒漆ベースの柱・床に、壁は金箔貼りで、ろうそくの火で金箔が美しく輝く様が再現されている。信長公記には七重目は「三間四方、御座敷の内皆金なり、お座敷内外柱惣に漆」とある。赤と金ベースだった六重目と異なり、こちらは黒と金ベースだったのは間違いない。

azuchi-6539この実物大 想像天主は、1992年にセビリア万博(スペイン)の展示物として作られたものを、万博後に譲り受け、ここに展示されている。写真のとおり、万博時は内装だけで外観は作られていなかったものを、全て追加して作ったようだ。安藤忠雄が設計したという話。

azuchi-6540a-6493信長の館は復元天主がメイン展示のように思われるが、実は最近出来た、奥の小部屋で上映されている「VR安土城シアター」がなかなかに秀逸。3D映像で再現された安土城の往時の姿を、城を訪問したルイス・フロイスの視点で、説明を受けながら登っていくというストーリー。これは必見。

azuchi-6540b-6486その他、復元案天主の周囲には細かい展示も幾つかされている。まずはよくある築城風景ジオラマ。伝説の「蛇石」と思われる巨石を曳き上げる人夫たち。こういうの好き。

azuchi-6540c-6484天下布武の朱印のある古文書も展示。右下には天下布武の印(復元)も置かれている! 文書は天正三年八月十三日、一向一揆に奪われた越前の地を奪還すべく進軍を開始した信長は、織田軍に味方する越前の在地領主たちに対し土地や権利を保証するという内容となっている。

azuchi-6540d-6483本能寺の変の直前、安土城にて信長が同盟相手の家康らを接待したときの食事を再現したもの。食事に関する細かい資料が残っているそうで、こういう御膳がズラリと並ぶ。

azuchi-6540e-6496安土城跡より出土した三巴紋 金箔軒丸瓦。凹部に金箔が貼ってある「信長スタイル」。秀吉スタイルは逆に凹部に金箔(例:指月山伏見城跡より出土した金箔瓦片)。

azuchi-6540f-6498宣教師が描いたと言われる信長の肖像。信長に最も似ていると伝えられているとか。

おまけ:最寄りのJR安土駅前の様子をご紹介。信長公の銅像が立つ。

azuchi-eki01JR安土駅前ロータリー。どことなく異国情緒が漂う。

azuchi-eki02JR安土駅前に立つ信長公像。敦盛を舞う姿?

他にも、安土城ジオラマや復元前後の大手門付近の様子を再現した模型などが楽しめる「安土城考古博物館」(信長の館の近く)、当時の様子を描いた巨大絵図(想像)や七重天主の巨大模型(中央で分割出来て内装も楽しめる)がある「安土町城郭資料館」(JR安土駅の裏) など、見どころは多い。いずれ紹介したい。


訪問時期:2015年6月
撮影機器:FUJIFILM X-M1 + XF14mm
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安土城 [7/7] 天主復元案の1つを実物大で再現した「信長の館」へ” への2件のフィードバック

  1. 初めまして。数日前に安土城跡へ行ってきたのですが、長浜から急に思い立ってきたので着いたのがすでに2時過ぎで、駅からレンタルサイクリングで回りました。
    日頃の運動不足もたたってか、安土城跡での急な石段にヘロヘロになりながらで、時間も気にしながらと十分に見ることが出来ませんでした。
    立派な石段もほとんどが後で修復されたものだったのですね。
    関連施設も信長の館に寄るのが精いっぱいで、今度は桜の季節にでもゆっくり再訪したいと思っています。
    いつか100名城巡りを達成できたらと夢見ているお城ファンで、こちらで楽しませてもらっています。

    1. 松本さま
      コメントありがとうございます。冬場にお昼の2時過ぎから安土城だと、日が暮れるまでに全域を廻ることは少し厳しいですね、でもそれはまた次に行くチャンスが出来たとお考え頂き、暖かくなった頃にまたぜひ登城していただければと思います。お城はたいていが登り降りがある場所になります、100名城めぐりをしているうちに自然と体力もついてくるかと思います。またお越しくださいませ!

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