国府山城 [後編] 主郭からは姫路城が見え、山麓には黒田職隆の廟所あり

国府山城 [前編] の続きです。

妻鹿駅から市川沿いに北上し国府山へ到着、山道を上がりながら遺構を見ていく。山頂の大曲輪へ到着、鉄塔裏の経塚跡を見て、主郭へ向かう。
_


<訪問記>

kouyama26馬駆け上の曲輪跡を越えると、削り割ったような跡がある岩のそばを通る。この岩を割って城内の石垣に利用したか、これ自体を天然の石垣に利用したのだろうか。特に説明板等なし。

kouyama27土塁跡。よーく見ると看板が立つあたりは周囲に比べて数cm盛り上がっている。写真でもかろうじて判別できる。言われないと気づかない。往時はもっと大きな土塁だったのかもしれない。

kouyama28自然の岩盤を利用した折れ曲がり道が出来ていた。往時は岩盤の前に土塀を立てて、奥が見えないよう遮蔽していたかもしれない。

kouyama29しばらく進むと道が左右に分かれる。奥へ進むのは左だが、右には曲輪がいくつかあるようだ。分かれ道の中央には巨大な岩。

kouyama30岩の右側は「狼煙廓」と命名されている。ここで姫路城や御着城へ合図を送るため狼煙をあげていたのだろうか。

kouyama31その奥には「二層の隅櫓跡」と書かれていた。先ほどの廓からでも結構な眺望だったので、二階から見ると更に遠くまで見渡せたことだろう。

kouyama32岩のところまで戻り、今度は岩の左へ進む。少し盛り上がっている。道の両側を岩に囲まれ虎口的な雰囲気になっている。手前にも岩があることから、折れ曲がり虎口だったのかもしれない。

kouyama33主郭までは細長い曲輪(道?)が続く。両側は斜面。

kouyama34しばらく進むと、道の左側に開けたエリアが現れる。ここが主郭跡。姫路城方面がよく見えるよう、その方向だけ木々を伐採してある。丸太風の素材で出来たベンチが6つ可愛らしく並んでいる。ここで弁当でも食べると気持ちが良さそうだ。

kouyama35主郭から見る姫路城方面。展望案内図には「黒田官兵衛ゆかりの地」と書いてあるので、最近作られたようだ。と思ってGoogle画像検索で調べてみると、少なくとも2008年頃はこんな感じだったようだ。全然違う。大河ブームすごい。

kouyama36さて主郭からの眺望。中央を流れるのは市川。市川をまたいでいる大きな道路は姫路バイパス。右奥の方に四角い箱に収まった姫路城の姿が見える。ズームレンズに換装。

kouyama37a天空の白鷺 営業中の姫路城。左端の白い横長の建物が姫路駅前ビルpiole。みゆき通りにあるヤマトヤシキもよく見える。ちなみにヤマトヤシキ8Fのレストランからは姫路城がよく見えるのでオススメ。

ちなみに現在の巨大な姫路城はこの距離でも肉眼で容易に判別出来るほどよく見えるが、職隆・官兵衛当時の姫路城(砦程度)がどこまでここから見えただろうか。姫山という丘の上に建っていたので、姫路城以外は平屋と田畑しか無い当時だと、この距離でも”よく見えた”のかもしれない。

kouyama38主郭で眺望を楽しみつつ一休みしたのち、散策再開。主郭の向かい側には、土塁のような盛り上がりがある小さな曲輪があった。向かいの山は恐らく小富士山(Googleマップより推定)。

kouyama39主郭から奥へ進むと、庭園廓と名付けられた場所へ。巨石がゴロゴロしている。庭園にはあまり見えない。

kouyama40角度を変えて横から見てみると、庭石のような配置にも見える。

kouyama41更に進むと、磐座跡(いわくらあと)と名付けられた巨石が鎮座していた。磐座とはその字から想像できるとおり巨大な岩の御神体のことなので、山上の神社代わりだったのだろうか。確かに自然に出来たこんな形の巨石が山上にいきなりあったら、神々しく感じる。現代でいうところのパワースポットか。

なお登城口にあった縄張図によると、ここ磐座跡 周辺が城跡の端のようだ。ここから先は道が大きく右へ180度曲がり、Uターンする感じで進んでいく。(元来た道を戻るのではない)

kouyama42少し道が太くなっているところは、帯曲輪 と表示されていた。

kouyama43S字カーブを描く山道。今でも草木が生い茂って視線を遮蔽しているが、土塀でも立てれば立派な食い違い虎口。

kouyama44途中、急に視界が開けて、大きな岩場が露出している場所があった。あの上は主郭あたりだろうか? 縄張図には特に記載なし。

kouyama45途中、門跡と思われる礎石を発見。看板は無かった。

kouyama46しばらく進むと、上がってきた登城道の手前あたりに広場がありそこに鉄塔が建っていた。鉄塔を建てるために広場にしたのか、元々あった広場(曲輪跡)に鉄塔を建てたのかは不明。そして経塚跡のあった鉄塔は金網に覆われていたが、こちらはむき出し。この差は何だろう。

鉄塔を越えると上がってきた登城道(馬駆け前)に戻る。山上の曲輪群をぐるっと時計回りに一周した感じだ。そのまま登城道を通って下山し、パンフを参考に妻鹿駅までのエリアにある”黒田家ゆかりの地”を巡ってみよう。

kouyama48byoまずは官兵衛の父・黒田職隆(もとたか) 廟所へ。住宅街の真ん中にあってなかなか分かりづらい場所にある…という事前情報だったが、実際にはこのように至る所に矢印付きの看板が立っており、今や小学生でも迷わないだろう。これは妻鹿駅出てすぐの看板。網の下の細い下り坂を降りていく。

kouyama50しばらく右へ左へ看板の指し示す通りに進んでいく。看板無しで地図を見ながらだと厳しくはなくも、もっと時間がかかるだろう。これが最後の看板、ここで国府山城跡方面と廟所方面とで道が別れる。前方奥に見えている山が国府山。廟所はここを右に曲がってすぐ。

kouyama51「筑前さん参道」という石碑が目印…と事前情報で調べていたが、その前にもっと目立つ「黒田職隆公 廟所→」という立て看板があった。ブームが去ってもこの看板は置いておいて欲しいものだ。

kouyama52看板どおり進むと、住宅街のまさに一番奥に「黒田職隆廟」石碑とお堂があった。官兵衛くんノボリもバンバン立っていて、廟所という雰囲気はあまり無い。

kouyama53黒田職隆廟所。横の説明板によると、五輪塔に刻まれた文言は石質もあり風化が酷く現在は判読不能だが、以前は正面に「天正十三酉 宗円 八月二十二日」、左面に「黒田◯◯」と銘があったという。江戸時代の黒田系家系図に職隆の法名が宗円で、まさにこの日に62歳で死去という記述があることから、この五輪塔は職隆の墓塔であると考えられるとのことだ。

kouyama54aお堂の中の立派な五輪塔へお参り。綺麗な花が供えてあった。地元に愛されていることが伺える。

kouyama55お堂内部の側面には、昭和52年にこのお堂を作ったときと思われる説明板が掲示してあった。廟は荒廃していたが住民の寄付により修復したとのこと。妻鹿城址で見たあの石碑も同時に造られたようだ。地元の文化財を守る心、すばらしい。

職隆公のお参りを済ませ、北へ向かう。元宮八幡神社に、黒田二十四騎の一人・母里太兵衛の誕生地なる場所があるという。

kouyama56この石鳥居の道の突き当たりにある公園風の場所が元宮八幡神社。

kouyama57こちらが元宮八幡神社 境内。目指す母里太兵衛の碑はこの左側にある。

kouyama58母里太兵衛 生誕之地 石碑。ずいぶん新しい。横に立つ説明板によると、太兵衛はここ妻鹿で生まれたという(この石碑の場所に生家があったかどうかは不明)。また”酒は飲め飲め〜”で始まる民謡 黒田節は、太兵衛が超大酒飲みで福島正則との宴席での賭けに勝って正則所有の名槍を奪い取ったという伝説に基づく。伝説の詳細はコチラ。3杯飲み干したという大盃の直径”一尺”とは約30cm。すげえ。

大河ブームもあって、国府山城跡は周辺の関連遺構も含めてよく整備が行き届いている感じがする。城跡としては高石垣や深い堀切など派手な遺構も無い小さな山城だが、地元に愛される歴史文化財へ大河ブームのいま、ぜひ機を逃さず訪問しておきたいところ。(実際、城跡近辺で同じ”官兵衛ゆかりパンフ”を手にした観光客と何度かすれ違った)

訪問時期:2014年1月
– – – – – – – –
城めぐり関連ブログ人気投票参加中. いつも投票アリガトウ!

このブログは果たして何位でしょうか? (=゚ω゚)ノ

広告

国府山城 [後編] 主郭からは姫路城が見え、山麓には黒田職隆の廟所あり” への2件のフィードバック

  1. すごく、妻鹿は良いよ!
    みんな親切に道を教えてくれるし、優しい人ばかりで感動しました✧
    国府山城頂上では、姫路の町が一望でき、すごく綺麗でした✡
    秋には祭りもあるそうですし、秋ならいい時期だから行ってみようかな?祭りも見てみたいですしね!
    また行きたいです!

    1. ゆうかさん、コメントありがとうございまーす。
      残念ながら大河ドラマ「軍師官兵衛」では国府山城は完全スルーでしたが(^^; 妻鹿には官兵衛のお父さん(柴田恭兵の名演)のお墓もあるし、かなりのお客さんが来られたんでしょうね。比較的近くなので、また行きたいけれど、他にも行きたい御城がたくさんあるし、体は一つなので、なかなか悩ましいところです。
      姫路城もついに生まれ変わりましたし、ゆうかさんもまたぜひ姫路の御城巡りな旅へ!

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中