宇陀松山城 [2/2] 本丸周辺は整備が進み破城されたままの姿に。

宇陀松山城 訪問記 其の二。

[前回までの訪問記 概要]
春日神社より登城開始。山道をあがると、深く長い空堀やかつては石垣造りだった大手虎口などが現れる。本丸周辺は美しく整備され、最後の城主 福島氏が改易された際に破城されたままの姿が現れている。其の二では本丸やその周囲に残る遺構、そして山麓の陣屋時代の町並みを見て回ります。

訪問時期:2014年2月
宇陀松山城 訪問記 − 其の一


<訪問記>

本丸の周囲にある帯曲輪から、本丸へ登らずに一旦 裏側にある大御殿曲輪へ。さらに奥へと進んでみる。

uda25-sこちらも結構深い横堀が掘られている。左側は櫓台か。こちら側は午前中は日が当たらない方向なので、まだ雪がどっさり残っている。

uda23-s其の一と同じ時の写真とは思えない雪景色。こちら側までぐるっと石垣が巻かれていたのであろう、部分的にだが石垣が残っている。

uda2016-6353ちなみに夏場に訪れるとこのような状態。草に埋もれるのと、雪に埋もれるのと、どっちが良いか状態。

uda24-s斜面を登ってもう少し近くで石垣を見ようと思ったが、雪と急斜面に阻まれてうまく上がれず。これであの石垣の上から槍や火縄銃を持った敵が並んでいたら、とても攻められない。ということでズームで撮影。左側は算木積みの隅石があり、登り石垣風になっている。ぐるっと全面を巻いていたのではなく、本丸の斜面に沿ってまるで万里の長城のごとく、ぐねぐねと曲がっていたのかもしれない。

uda26-sさていよいよ本丸に上がる。裏側からは上がれそうになかったので、表へ戻ってきて、先ほど見た石段から上がる。石段はビニールシートの残骸が残っていた。よく見ると石段(ビニールシートの下)は石積みのところと土のうのところがある。

uda27-s本丸の上へ。奥の更に一段高くなっているところが天守台だ。木がきれいに伐採してあって、非常に見晴らしが良い。

uda28-sよくある城の歴史などを記した説明板が無いなと探してみると、地面に小さなプレートが設置してあった。奈良県景観資産ということでここからの見晴らしが良いということのようだ。宇陀松山城自体も国の史跡に指定されているんだがなぁ。文化庁さん看板立てて。

uda2016-62752016年に再訪すると、本丸上に説明板が建っていた。掲載されている写真は最初に整備したときのものか、完全にハゲ山だ。宇陀市さん ありがとう!

uda29-sということで、景観資産になっている宇陀松山城 本丸跡からの眺めをどうぞ。左の雪をかぶった山々が大峰山脈、のようです。

uda30-sさて天守台に登ってみる。

uda30a-s天守台には左右二箇所の登り口がある。向かって右がスロープ状(横面は石垣だったので往時からあったと思われる)、左側が虎口を形成している石段だ。

uda31-sこちらが向かって左側の石段。破壊されてはいるが、階段が右側に曲がっていく様子は分かる。資料によるとかつての附櫓台跡とか。

uda32-s天守台の上には石碑がいくつか建っている。一番手前にある一番大きな石碑は「枩尾龜斎翁碑」と読める(枩は松の異体字)。何をした人かは不明(Google先生もご存知ない模様)。裏側には発起人の名が記されるのみ。

uda32b-s次の碑。タイトルが上にあり(右から読む)、下に漢文で説明が書いてある、あちこちの城跡でよく見る史跡碑だ。タイトルが白く変色していて読みづらい。松◯鶴◯翁碑。◯は読めない。漢文の出だしが鶴斎翁之〜で始まるので、松◯鶴斎翁碑 ? 石碑の石碑が欲しい。というか、地元の名士っぽい石碑ばかりで、肝心の城跡碑がない。なんたることか。

uda33-s天守台の見晴らしのいいところには、これもよくある「こっちが◯◯」の石があった。4分割してあり、北と書かれた方(手前)は壊れていて読めないが、南は「拾生(ひろう)」、西は「春日」、東は「岩清水」か? (Googleマップとニラメッコして推定。最初の「岩」しか読めない)。拾生は道の駅の前の交差点に書いてあった地名だ。丸亀城の本丸にも方向石 (?) があったのを思い出した。

uda34-s天守台の一番置くには石垣が積まれた一段高いところがあり(面積的にこっちが天守台で、今いる場所は天守曲輪か)、そこには白髭大明神が鎮座していた。

uda35-s天守曲輪から見下ろす北方面。植林された杉の木がびっしり植わっているが、あれらも往時は無かったのだろう。宇陀の町が丸見えだ。しかし天守付近だけでもこうして伐採整備してくれているため、往時の山城の雰囲気を楽しめることに感謝。

uda36-s天守曲輪の周囲の石垣をチェック。矢穴がはっきり残る石もいくつかあった。

uda37-s本丸を降りて、周囲を散策。まずは本丸の東側にある大御殿曲輪。植林されていたであろう杉の木をバッサリ伐った切り株が生々しい。ところどころ糞が落ちていたので動物がうろうろしているようだ。

uda38-s大御殿曲輪から見上げる本丸および天守曲輪。本来は山頂から斜面だったものを、本丸〜斜面〜帯曲輪〜斜面と削っていったのだろうか。

uda39-s大御殿曲輪と、その南側にある二ノ丸(写真右上の杉林。二ノ丸は伐採されていない)との間には、大きな横堀と土橋が形成されていた。写真じゃ分かりづらいけど、左下が土橋。

uda40-s続いて、二ノ丸手前の虎口跡へ。こちらは登ってきた大手口ほどは整備修復されていないが、それでも十分に雰囲気は分かる。写真左がその虎口。

uda41-s虎口内部へ。虎口を形成している石垣が見える(半分埋まっているが)。奥には本丸および天守曲輪が見えるが、もちろん往時は枡形の石垣に阻まれて見えなかったことだろう。

uda42-s虎口内部から二ノ丸方面を見る。こちらも迫力満点。

uda2016-6213 2016年再訪時に虎口跡で発見した説明板。こちらも整備時の完全に石垣などが掘り出された状態の写真が掲載されている。文禄期の古絵図には「雀門」と書かれているそうだ。周囲の土塁上には瓦葺きの櫓があったようだ。

uda2016-6324ちなみに夏場にこの虎口に来るとこのとおりまったく状態が分からなくなる。山城はやはり草木の枯れた時期、か。

では下山して、次は城下に残る 織田信雄が居た陣屋時代の遺構を見てみよう。

uda43city-s旧 宇陀松山藩 城下町の様子。古い佇まいの住宅に、雰囲気ある街灯が良い。このあたりは重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)という国の文化財指定のようだ。全国に106あるうちの1つという。

uda44-s大宇陀には伊勢本街道が南北に通っている。伊勢本街道は古くから大坂と伊勢を繋ぐ「お伊勢参り」のメインルートとのことで、なぜかその伊勢本街道の一本西の通りに立派な道標を発見。「左 はせ はい原 / 京 大坂、西 右 大峯山上 / すぐい勢道」。現地で石碑すらすらと読めるようになりたい。英語は中学からで十分だから、代わりに草書体・変体仮名の読みぐらいは中等教育ぐらいで必須にすべき。

uda44a-sこちらは郵便局。この佇まい!今や郵便局員から直接年賀状買った時に貰えるオマケの貯金箱でしか見かけない懐かしい赤ポストもポイント。室外機の温風を直接受けてて大丈夫かな…。

uda2016-6163このような古い屋敷や蔵がずらりと並ぶ宇陀の町並み。江戸時代にタイムスリップ。とてもいい雰囲気。

uda2016-6151川沿いへ。川岸には古い石積み。そして橋を渡った先は道が折れ曲がっていて、その途中に大きな門が見える。いかにも城下町と言った印象。

uda2016-6137松山西口関門。福島氏〜織田氏の頃の建築という。宇陀松山城の大手筋の出口にあたるところだとか。このすぐ左側は川。

uda2016-6146関門を裏側から見てみる。高麗門形式。よくみると扉の前に道にそって車止めのような石が埋められているので、もう扉は閉まらない。門の奥にはこれまた蔵のような古い漆喰の建物がある。

 

uda47-s説明板には名称として「史跡 旧松山城 西口門」とある。西口関門より、こっちのほうが良い。旧位置のまま現存する城下町の門としては珍しいという。確かにあちこちに現存する城門は神社仏閣などに移築されていることが多い気がする。

uda48-s最後になったが、松山地区案内図。ここにあるということは、西口関門から見て回れということか。福島正則の弟 福島高晴が「松山町」と改称したという。大坂の役後の織田氏時代には城下町が栄える。織田氏が転封になると、織田氏に関係する施設はすべて取り壊し(!) になったという。残念。

宇陀松山は、春日神社から山上の松山城跡にかけて石垣や土塁、空堀などの遺構がしっかり残り、また発掘調査や樹木伐採などの整備も積極的に行っていて、山城好きには外せない遺跡かと思う。また城跡だけでなく、風情ある城下町もあまり観光地化されずにそのまま残っているところもポイント(見た目だけでなく、博物館や古民家カフェなどもある)。大阪からも意外と近く、実は南阪奈道路で山を越えたらあとはまっすぐ東へ行くだけ。おすすめ。

訪問時期:2014年2月
撮影機器:SONY NEX-C3
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