山崎城 (天王山) : 光秀と秀吉の決戦地、そして大坂前夜の秀吉居城

山崎城は、本能寺の変後にここ山崎の地で起きた秀吉対光秀の山崎の戦い終焉後、清洲会議にて山城国を手に入れた秀吉が天王山頂に建築した城。大坂城を築くまでここ山崎城が秀吉の本拠地だった。秀吉以前にも天王山では南北朝時代から戦火が絶えず砦や小規模な城はあったようだ。しばらくして大坂城が完成すると秀吉はそちらへ移り、山崎城は廃城となった。

<基本データ>
●名称: 山崎城 (Wikipedia)
●所在: 京都府乙訓郡 (マップ)
●築城: 豊臣秀吉
●竣工: 天正十年 (1582)
●遺構: 石垣、天守台、井戸、虎口、曲輪
●情報: 大山崎町HP


<訪問記>

yamazaki01-s阪急大山崎駅の東にある大山崎ふるさとセンター内の歴史資料館で散策マップをもらってから、山崎城跡のある天王山ハイキングコースへ。ハイキングコースの入口は、阪急大山崎駅の北にあるJR山崎駅の東側。宝積寺(ほうしゃくじ)までは緩やかな坂が続く。

yamazaki03-s右へ行けばアサヒビール山荘美術館、左へ行けば宝積寺へ。どちらからでも天王山へ登れるが、今回は宝積寺ルートをたどる。

yamazaki04-s宝積寺 山門。阿吽の金剛力士像(重要文化財)が迎えてくれる。

yamazaki09-s2宝積寺 本堂 とその前の土塀。紅葉がすごい色になって出迎えてくれた。山城めぐりは晩秋に限る。

yamazaki10-s境内にある「秀吉 出世石」。説明板によると山崎合戦の折、秀吉は一時ここを陣所とし、その際にこの石に腰掛けた(その後 戦いに勝利し天下人への道を歩み始めた)という言い伝えだとか。腰掛けられないように柵がされていたのが残念。

yamazaki12-s宝積寺の裏手から天王山へ。天王山への山道入口は、本堂向かって右手にある閻魔堂の更に奥にある。山道はゆるやかで、写真のように木の階段が整備されているところもあるが、ところどころ石がごろごろしていて歩きづらい場所もある。足元注意。

yamazaki13-s10分ほど登ると休憩スペースがある。そこに天王山名物「秀吉の道 陶板絵図」が設置されている。ここから天王山山頂までに6枚設置されているようだ。ただし1枚目(本能寺の変)は宝積寺と反対側の山荘美術館付近にあるそうで今回はパス。これは2枚目だ。

yamazaki14-s2陶板絵図 2枚目「秀吉の中国大返し」。目を引く屏風絵は日本画家が新たに描き下ろしたものという。なかなか読み応えのある解説文は堺屋太一作。

yamazaki15a-sさらに5分ほど上がると大きな鳥居が見えてくる。天王山にある酒解神社 (さかとけじんじゃ) の一の鳥居。神社はもっと上にある。このあたりは紅葉の絶好ポイント。

yamazaki16-s鳥居の手前には展望台と名勝「旗立松」がある。まずは説明板から。説明によると、山崎合戦の際、秀吉はここ天王山に登り、士気を高めるためここの松の樹上高くに軍旗を掲げたという。この松は5台目の松とのこと。

yamazaki16a-sこちらが5代目旗立松。秀吉時代の松はどれぐらいの高さがあったかは分からないが、かなりの巨木だったのだろう。

yamazaki17-s旗立松の奥には「山崎合戦之地」石碑がある。しかし実際には山崎合戦は御存知の通り、ここ天王山上ではなく、その麓の地(小泉川沿い)で行われた。なお石碑の右側には説明板が立っているが、字が完全に消えてしまって全く読めない。これほど読めない説明板は初めてだ。

yamazaki18-s旗立松の展望台からの眺め。左右に横切るのは名神高速道路。その中央より少し左側に見える大山崎JCTあたりが、山崎合戦の地と言われる。

yamazaki19-s展望台にある説明板。右側の、現在の地図と当時の軍配置図が嬉しい。秀吉は天王山麓の西国街道沿いに軍を展開し、対する光秀はその先の谷の出口あたりに布陣していたようだ。

yamazaki20-s酒解神社鳥居の奥には、陶板絵図その3「頼みの諸将来たらず」がある。先ほどの「その2」と比べてかなり横に大きく見応えがある。右側が勢いに乗る秀吉方、左側が待ち構える光秀方。予想に反して諸将の援護を得られず寡兵となった光秀は、天王山と旧淀川の間の谷から出てくる大軍の秀吉方を各個撃破すべくここに陣を構えたという。絵図は決戦開始直前の様子。

yamazaki21-s陶板絵図その3「頼みの諸将来たらず」説明文アップ。

yamazaki22-sすぐ隣には陶板絵図その4「天下分け目の天王山」がある。決戦が始まり勢いにのる右側の秀吉方と、敗走する雑兵も多い左側の光秀方。表情の細かい描写も面白く、絵も大きいのでじっくり見られる。

yamazaki23-s陶板絵図その4「天下分け目の天王山」説明文アップ。

yamazaki25-s少し上がると、幕末期の史跡である「十七烈士の墓」がある。幕末、尊皇攘夷を進めていた長州藩が幕府により京都を追い出され、更に池田屋事件で長州藩士が新選組に襲撃されると、長州藩は京都奪還を目指して大軍で上京。京都御所で激しい戦いとなった有名な「蛤御門の変」が起こる。この戦いで長州軍は大敗、山崎まで撤退。従軍していた真木保臣ら17人の志士たちがここ天王山で殿(しんがり)を務め、長州軍主力部隊は帰国。当時は朝敵だった長州藩および十七志士たちも、維新成立後は維新の志士として丁重にここに埋葬されたとのことだ。

yamazaki28-s続いて、更にしばらく登ったところにある酒解神社の三社宮横にある、陶板絵図その5「明智光秀の最期」へ。天下分け目の山崎合戦はわずか3時間ほどで決着がつき、敗走した光秀は勝龍寺城に逃げ込む。しかし平城では多勢に無勢、夜のうちに居城である琵琶湖畔の坂本城へと移動したが、その途中の京都山科の山中にて落ち武者狩りに遭い自刃。堺屋太一は解説にて、博識を信長に買われて異例のスピードで出世した光秀だったが、信長のあまりに速い改革に反発を感じてしまった古い知識人の弱さ故の謀反だった、と断じている。なぜ光秀が謀反をおこしたかの真相については、人によって意見が違うほど多くの説があり、これもその1つ。

yamazaki28-s2陶板絵図その5「明智光秀の最期」説明文アップ。

yamazaki29-s陶板その5の奥には酒解神社本殿が鎮座する。細い山道しかない山上とは思えない立派な社殿だ。隣には重要文化財の神輿庫もある。

yamazaki30-s酒解神社の奥の山道を進むと、いよいよ天王山山頂へ。

yamazaki30a-s山頂へと続く細い山道には、当時の城の名残と思われる石垣の跡のような石積みも見られる。期待に胸を膨らませていざ山頂へ。

yamazaki31-sこちらが天王山 山頂、山崎城 主郭跡。見事な削平地でところどころ石材が転がり(城の遺構かは不明)、説明板がいくつか建っている。奥の土塁は天守台跡とのこと。

yamazaki32-s最後の陶板絵図その6は山頂にあった。山崎合戦後の秀吉の足跡を簡単にまとめている。絶対王政を目指した信長に対し、秀吉は中央集権と地方分権を組み合わせた封建社会を築こうとしたのである、とのことだ。

yamazaki32-s2陶板絵図その6「秀吉の天下人への道…」説明文アップ

yamazaki33-s山崎城跡 説明板。山頂の詳細な縄張図が載っていて非常に役立つ。この図を元に遺構を散策しよう。天守台・土塁・曲輪だけでなく、井戸跡、虎口跡、石垣も残るようだ。

yamazaki35-s一風変わった様子になっている、山崎城 天守台跡(2013/11現在)。なぜか石が積み上げられている。他サイトの写真を見ると昔はもっと石が少なかったようで、誰かが日々積み上げているということか。参考→石積みが無い頃の写真。小さな石積みが出来始めた写真。石積みの中央に石塔がある写真(2011/06)。来年には天王山山頂の標識は石に埋もれてしまう勢いだ。※写真は外部サイトへ。

yamazaki36-s天守台(右奥)の手前には、建物の礎石かあるいは石畳的な何かの跡が残る。石の加工具合から、城の礎石ではなく、その後の祠かなにかだろうか。

yamazaki37-s説明板の縄張図を参考に周囲を散策。主郭の西側の曲輪へ。何もないが、かなり広い。

yamazaki38-s西曲輪の更に西側斜面を覗いてみると、石垣が。正面から見るには、このまままっすぐには木が生い茂っていて進めないのでぐるっと回り込む必要がある。

yamazaki39-sぐるっと回りこんで石垣の下へ。上の立派な石垣の下にも石積みらしき跡が見えるため、斜面に沿って何段かの石垣が構成されていたのかもしれない。

yamazaki40-s石垣アップ。小さめの石を丁寧に積み上げている感がする。

yamazaki41-s南側の曲輪には井戸跡が残る。竹囲いが風雨で壊れてきているので、そろそろ再整備が必要か。

yamazaki42-s井戸跡の曲輪の周囲には土塁も残る。写真だと分かりづらくなってしまうが、曲輪の周囲を盛土が囲っている感じ。

yamazaki44-s説明板にあった、主郭下の食い違い虎口。土塁が前後に築かれ道が折れ曲がっている。出口には土塀でもあったのだろうか、整然と並ぶ礎石らしき石も残る。

天王山ハイキングコースはまだまだ先まで続くが、山崎城跡としてはここまでなので、引き返して下山。登山には約40分ほどかかったが、下りは楽で10分ほどで宝積寺へ着いた。歴史的に有名な山崎城・天王山。遺構はあまりなくとも、歴史に想いを馳せながらの山登り、なかなかいいものです。

訪問時期:2013年11月
撮影機器:SONY NEX-C3
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